性教協障害児サークルHP

2013年12月の近況バックナンバー


2013年 12月 29日 [日]
 都立七生養護学校の「こころとからだの学習」裁判について、
去る11月28日に最高裁で上告棄却の決定が下され、都教委・都議らの敗訴が決定しました。
 この決定により12月27日(金)、中川弁護士事務所で東京都職員から原告らに賠償金が支払われました。
 保健室で3人の都議(古賀、田代、土屋)が養護教諭を侮辱したことが違法であり、それを制止しなかった都教委は保護義務違反であることから、2人の養護教諭に各5万円支払いました。
 また、「学習要領違反」「発達段階無視」の「不適切な性教育」であると厳重注意をした都教委は裁量権の濫用であり違法として、10人の原告に各20万円の賠償金を支払いました。
都教委は判決を重く受けとめ、子どもたちの成長発達に必要な性教育を復活・保障すべきです。
ここに3者声明文と原告団団長の言葉を紹介いたします。


声明「こころとからだの学習」裁判最高裁決定を受けて

                     2013年11月29日
                   「こころとからだの学習」裁判原告団
                   「こころとからだの学習」裁判弁護団
                   「こころとからだの学習」裁判支援全国連絡会 

1,昨日、最高裁判所第1小法廷(金築誠志裁判長、櫻井龍子裁判官、横田尤孝裁判官、白木勇裁判官、山
浦善樹裁判官)は、都立七生養護学校で行われていた性教育(「こころとからだの学習」)に、都教委・都議ら・産経新聞社が介入した事件に関し、教員・保護者の上告、上告受理申立、東京都の上告受理申立、都議らの上告、上告受理申立をいずれも、棄却するとの決定をした。
  これで、2011年9月16日に言い渡された東京高等裁判所民事第2部の判決が確定した。被告の行為への違法判断の不徹底さを残したが、三度勝訴判決である。

2,高裁判決は一審判決の結論を維持し、一審判決(東京地裁民事24部2009年3月12日判決)に続いて、七生養護学校の教育に介入した都議らの行為と、これを黙認し厳重注意処分を発した都教委の行為を違法として損害賠償を命じた。
  一審原告は、高裁判決が私たちのその余の請求を認めなかったこと、都教委の教育内容への介入の余地を認めたことを不服として、上告及び上告受理申立をした。そして、上告理由書及び上告受理申立理由書を提出し、高裁判決の不十分な点を明らかにし、また都教委・都議らへの反論書面も提出した。
さらに、憲法学者・教育法学者の意見書も提出し、都教委・都議らの行為が憲法26条や1976年の旭川学力テスト事件最高裁判決に違反することを明らかにしてきた。
  最高裁判所は、憲法判断を避け、旭川学テ判決の本件への適用を避けた点では遺憾と言わざるを得ない。

3,しかし、確定した高裁判決は、都議・都教委の「過激性教育」判断の根拠の誤りであることを明示し、「こころとからだの学習」を「望ましい取り組み方であった」と評価し、教育現場の自主性を広く認める画期的な判決であった。
  高裁判決は、学習指導要領について、「一言一句が拘束力すなわち法規としての効力を有するとすることは困難」として「教育を実践する者の広い裁量」を強調した。知的障害養護学校の学習指導要領についても、「各学校の児童・生徒の状態や経験に応じた教育現場の創意工夫に委ねる度合いが大きいと解することができる」と述べた。また、教育委員会の権限について「教員の創意工夫の余地を奪うような細目にまでわたる指示命令等を行うことまでは許されない」とも述べた。そして、「こころとからだの学習」について具体的に教育内容を検討したうえ、「本件性教育は学習指導要領に違反しているとはいえない」と明確に述べた。

4,違法とされた都教委・都議らの介入行為の誤りであったことを具体的に示すことを求める。
  本件事件以後、事件の萎縮効果によって学校で性教育に取り組めない状況が広がっている。また、都教委は本件事件以後、教育現場への介入・管理を強める施策を行ってきた。しかし、子どもたちに必要な性教育は行われるべきであるし、子どもの学習権に応えるためには教育現場の自主性が確保されなければならない。
  私たちは、都教委・都議らに対し、教育現場の自主性を尊重する司法の判断にしたがい、事件後に改訂された「性教育の手引」の、七生養護学校の実践を不適切な例とした記載を改めるとともに、持ち去った教材は不適切ではなかったのであるから教育現場に戻すべきである。今後このような教育現場への不当介入防止策の検討など、行政と議会の責任を果たすべきである。
また産経新聞による「不適切な教育」との判断に基づいた、七生養護学校関係者を傷つけ、その教育を破壊に導く報道は裁かれなかったものの、それが事実上誤報であったことが明らかとなった。

5,この最高裁判決は、国や地方自治体による教育への不当介入が強められようとしている現在、教育の自主性を守り、教育の本質を明らかにする上で、また子どもの権利としての教育を確立する上で重要な意義を持つものである。

6,これまでの、全国連会員はじめ、全国のみなさまの長きにわたるご支援に感謝するとともに、判決への理解を広め、障害児教育、性教育をはじめ日本の教育の発展と、教育行政の改革のために努力を続けたい。
                                     以上


皆さん!ご支援をありがとうございました。
七生養護「ここから裁判」は、     
高裁での勝利判決が確定しました!!

 七生養護学校で行われていた性教育「こころとからだの学習」が、一部都議・都教委によって理由も明確にされないまま、突然乱暴に奪い去られた事件から10年余。自分たちで語らなければ、七生の実践が故意的に歪められていくことに怒り、31名の保護者・教員が原告として名乗りを上げ提訴して8年余。
 11月29日夕方、最高裁の決定が文書で代理人(弁護士)に送られてきました。内容は都議・都教委・原告いずれも「上告棄却・不受理」。最高裁の言葉で、七生の教育の価値や教育の自由の本質を語ってもらいたいという願いは届かず、残念ではありますが、これで高裁判決が確定となりました。
 高裁判決は、学習指導要領の基準性を確認し、教育は「教育を実践するものの広い裁量にゆだねられて」いることを認めました。また、障害児の性教育について「より早期に、より平易に、より具体的により明瞭に、より端的に、より誇張して、繰り返し教えるということが『発達段階に応じた』教育であるという考え方も、十分成り立ち得る」と、都議・都教委側の主張する「不適切な教育」の理由を否定しました。高裁判決は私たち原告が一番問題とした部分を認めています。
私たちは胸を張って三度目の勝利を宣言しました。
「教育の自由」を取り戻すため、また、子どもたちに権利としての性教育を届けるため、「ここから裁判」勝利判決を力に、これからも闘っていくつもりです。
 皆さんの温かい励ましや、力強い支えが私たちの力になり、この報告ができることをともに喜びたいと思っています。
 本当にありがとうございました!


2013年12月5日
      七生養護「ここから裁判」原告
                日暮かをる

2013年 12月 3日 [火]
このサークルでも長年支援をしてきた七生養護学校の「こころとからだの学習」裁判の最高裁判決が出ました。「上告棄却」との結論で、教育内容に介入した都議らの行為の違法性、それを黙認した都教委の行為の違法性を認めた1・2審判決が確定しました。原告側が上告理由とした部分が認められなかったのは残念ですが、勝訴判決の確定は、障害児の性教育を進めていく上で、とても大きな力となるものです。改めて、高裁判決の大切な部分を学び、実践への大きな原動力にしていきましょう!(な)

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